プロジェクトの始め方

現在、関わっている高校生プロジェクトの一つに、「空港活性化プロジェクト」がある。

地方の空港は、地域の重要な交通拠点だが、
その利用率は必ずしもよいとはいえない。
特に、LCCが発着していない空港は、航空料金が相対的に高く感じ、
地元の人であっても利用しないことが多い。
登場者が少ないことで便数が減ってしまうと、地域にとっても死活問題なので、
この問題をプロジェクトとして解決したいという高校生がいた。

彼らはもともとその地域問題を知ってはいたのだが、
プロジェクトを始める発端となったのは、その問題を解決せねばと思ったわけではなく、
彼らがたんに、飛行機が好きだということだった。
空港の問題云々よりも、飛行機や空港の雰囲気が好きだということから話が始まったことは、
高校生がなにか活動を始める際のよいきっかけを示している。

思春期を過ごす多くの高校生は、
日々の生活に不満を持っていたり、漠然とした問題を感じたりはしているが、
なにに不満があり、なにがしたいのかと問われると、ほとんど答えられない。
不満はあるけど、なにしていいかわからない。
なにかしたいけど、なにしていいかわからない。
社会問題に対してアンテナを張っている子どもや、アクティブに活動する子どもであっても、
16,7歳で、取り組むべき社会課題が決まっていることは、まずない。

その際、授業の一環であったとしても課外活動であったとしても、
高校生がプロジェクトを始めるためには、
「課題(解決しなければいけないこと)」から始めることができないのなら、
「好き(興味があって調べたいこと)」から始めるしかない。

半径数キロメートルの中で生活している高校生が
社会問題に興味を示さないのは当然といえば当然なので、
その場合は、社会問題でなく、子どもの興味(好き)からテーマが決まることがある。
好きなものから入り、色々と調べていく中で、周辺にある問題やイシューを知る。
飛行機が好きから入った子たちも、
飛行機の周辺の航空会社や空港、観光の現状を調べていくうちに、
身の回りにある社会問題に気づく。

そして、「好き」に駆動されてアクティブに動いている高校生に対して、
地域の大人は暖かい。
「好き」で始めた高校生には「やらされている感」がないので、
周りも協力したくなる。
頼んでもいないのに、自分たちが日々問題だと感じていることを、
若い高校生が解決したいとやってきたら、それは、協力的にもなる。

授業や学校のプログラムの一環で「課題研究」をしたり「プロジェクト活動」をする時、
高校生は真面目なことをしなければいけないと構えてしまう。
しかし、入り口、きっかけは「好き」でもいいのだ。
そこから、なにか、社会的に意義のあること、客観的に価値のあるものに向かえばいい。
高校生には、自身の中にある「好き」を、大切にしてほしい。

「空港活性化プロジェクト」にも、多くの大人が協力してくれている。